5/24日 公演は中止

本公演は、コロナウイルスの感染拡大の防止と、お客様、演奏者、および関係者の健康、安全面を第一に考慮し、中止とさせて頂きます。

　待望の角田健一バンド2020年度4回定期公演が始まる。プログラムに副ってききどころを一覧してみたい。1部は恒例のビッグバンド名曲集で、先ずデューク・エリントン楽団のテーマ曲でもある「A列車で行こう」で始まる。エリントン自身を始め世界中で多彩にアレンジされており、テーマメロディのあとの変奏コーラス部の処理などじっくりきいてみたい。続く「ワン・オクロック・ジャンプ」はベイシー特有のギターの刻むスウィング・リズムを楽しもう。「ワット・カインド・オブ・フール・アイ・アム」は同じベイシー楽団の60年代クインシー・ジョーンズのアレンジによるサウンドが魅力的だ。
次の「ソング・オブ・インディア」は、「印度の唄」で親しまれたトミー・ドーシー楽団の1938年「クラシック・ジャズ・シリーズ」の代表曲でトミーのスウィートな音色のトロンボーン・ソロが大ヒットし、トロンボーン奏者の登龍門になった。角田楽団の誰がソロするか楽しみだ。ドーシー楽団のテーマ曲「アイム・ゲッティング・センチメンタル・オーヴァー・ユー」も将来とり上げてほしい。 　
次の2曲は、1945年頃のビーバップ興隆期の代表曲だ。「マンテカ」はトランペットのディジー・ガレスピーが、アフロ・キューバンのリズムを入れ強烈なブラスや奔放なソロを展開したモダンな曲。「アップル・ハニー」は、ウディ・ハーマン楽団のバップ的サウンドによるヒット曲で、角田バンドの実力満開が楽しみだ。最後は、ベニー・グッドマン定番の「シング・シング・シング」でしめくくる。 　

　2部はラテン名曲で戦後ザヴィア・クガートやペレス・プラード楽団で親しんだ「ブラジル」と「マンボNO.5」で始まる。ここで国際的に活躍する女性歌手チャリートが登場し、スタンダード3曲を歌う。スウィング時代は、ビッグバンドの専属歌手が花形的存在だったことを思い出す。続く「言い出しかねて」は、スウィング時代にバニー・ベリガンのトランペット・ソロで有名になった曲で、クリフォード・ブラウンのトランペット・ソロもあるので、誰が吹くのか楽しみだ。「スイング・エクスプレス」は、角田がビッグバンドのエッセンスをこめて書き上げたオリジナル曲。「賢者の行進」でにぎやかに終わる。