「スイング・エクスプレス Vol.1」は2014年6月29日紀尾井ホールで開催された定期公演「4大ビッグバンドリーダーに捧ぐ　Vol.1」の模様を収録したライブアルバムです。紀尾井ホールはとても響きの良いクラシック専用のホールで、当日使用したPA装置はソロとピアノのみです。他の管楽器は生音でお聴き頂いており、録音は当日ホールでの様子を余す事無く再現しております。アンコールで演奏された「A列車で行こう」を含め全10曲はビッグバンドファンのみならずオーディオファンにも楽しんで頂ける様SACDとCDのハイブリット盤となっています。当日コンサートにいらした方もそうでない方もどうぞお楽しみ下さい。

結成25周年 ─ “ デディケーション（献身）” の成果～抜粋～　
児山紀芳
角田健一ビッグ・バンドが1990年の誕生以来、この4半世紀にわたって歩んできた道のりを振り返ると、その時代、時代によって取り組むテーマやレパートリーが変わっても、常に一貫して、底辺をしっかり支えてきた“土台”はみじんもぶれたりゆらいだりしていないことに気づかされる。“土台”といったが、別の言い方に変えれば、それは“デディケーション（献身）”という表現に言い換えることも出来るだろう。リーダー、角田健一以下メンバー全員に受け継がれているこの“デディケーション”の精神こそがこのオーケストラの主柱なのだ。いまライヴを聴くと、バンドが歩んできた25年の歴史が、音の隅々にまで聴き取れるのに驚かされる。一つ一つの演奏に人間的なぬくもりを感じさせるサウンドへとつながっている。

スイング・エクスプレス Vol. 1 Live at 紀尾井ホール
エリントン、ベイシー、グッドマン、ミラーに捧ぐ～抜粋～
悠　雅彦
客席を埋めた観客の中で思い思いに熱狂する十代の学生たちとともに、 その昔スイングの楽興を通して青春を謳歌した年配の人々も昔に還って、 ともに「イン・ザ・ムード」や「シング・シング・シング」、あるいは 「パリの４月」や「A列車で行こう」に歓喜を爆発させる光景を目の当たり にした瞬間、角田健一ビッグバンドがわが国の常設ビッグバンドとして現代の 王道を歩み続けている確かな手応えを感じないではいられなかった。
1990年にこのツノケン・バンドを旗揚げしたときのモットー＜ビッグバンドよ、永遠に＞を今なお実践し続ける角田とこのバンドで男をあげたメンバーの力量やアンサンブル能力とともに、４人の偉大なビッグバンド・リーダーが実証してきたビッグバンドの醍醐味を心ゆくまで堪能して頂きたい。